2014年11月05日

目的のわからない人為的移入

 地域の恥をさらすようですが、身近な川で北米原産のウチダザリガニをみつけてしまったのは、2012年でした。地元にはその前年から気づいている人もいるようでしたし、ザリガニの大きさからいって、5〜6年前から入っている可能性が考えられました。誰が何の目的で放したのか、まったく見当がつきません。
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 北海道の湖で大繁殖し、問題になっています。マリモなどの被害もあるため、ダイバーが潜って駆除しているほど。本州では猪苗代湖が有名で、夏には捕まえて食べる大会も催されています。特定外来生物ですが、その場で殺して食べる分には構わないのです。
 一番いけないのは、捕まえて飼育し、飼いきれなくなって適当なところに逃がす、というパターン。そのため、生きた状態で持ち運ぶことが法律で禁じられているのです。
 私たちは長野県環境保全研究所とともに、生態系からの排除を進めています。これまでの3年間で110匹以上を捕獲・駆除しました。おそらく水温や川底の環境の関係で、生息範囲は限られていますが、爆発的に増えないよう、数を押さえ込んでおかなくてはなりません。
 外来種は、地域固有の生物多様性の大敵です。外国の生物が侵入し、生態系が何となく落ち着いて安定してしまう頃には、地域のオリジナリティをなしていた在来種がたくさん犠牲になっているのです。


posted by あーすわーむ事務局 at 20:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする