軽井沢町では浅間山麓の生態系を保全するためにシカの個体数調整を試みてきましたが、高標高地域でシカを捕獲するのは簡単ではありません。雪が深く、人や車が簡単に入っていけないからです。また、浅間鳥獣保護区内にはカモシカやツキノワグマが多く生息しているので、罠をかければ誤ってそれらの動物誤って捕まえてしまう可能性も高いのです。
私達は、軽井沢町からの委託を受け、2012年から浅間鳥獣保護区内で銃器によるシカの捕獲を行ってきました。シカを撃つのは、山梨に住む腕利きのハンターさんです。これまで毎年30頭ずつ、合計90頭のシカを捕獲しました。これらのシカからは、体の大きさや胃の中の食物組成、妊娠率など、できるだけ多くの情報を得て、科学的な分析を行っています。シカの分布拡大の原因を究明し、今後の対策に役立てるためです。私達は、浅間山麓の生態系保全のために、今後もこのような活動を続けていくつもりです。
撃ったシカから個体の情報を得るためのサンプリングを行っているところ