軽井沢南部に、絶滅危惧種のホトケドジョウが生息する湧水が何本かあります。丘陵地から流れ出る小川は細く、夏は草に覆われ、日照りのときは涸れているのでは? と思うほど乏しい水量。でも、人の心配は数十年、ドジョウの生存は数百、数千、数万年でしょうから、心配無用なのかもしれません。
そうはいっても、いつ誰が開発しないとも限りません。各地の谷戸が埋め立てられたり、コンクリートのU字溝になったりして、ホトケドジョウは姿を消してきたのですから。今のところ農業用水ですが、念のため、地主さんのご理解を得て、立札を立てさせていただきました。遠い将来、次の世代の人たちにも、貴重な生息地であることが忘れられないように。
国設浅間鳥獣保護区の東端・軽井沢の中部から東部にかけては、コムクドリという極東固有の鳥の一大繁殖地です。4月にボルネオから渡ってきて、東日本や北日本で繁殖します。なぜか局地的で、軽井沢に隣接する町にはあまりおらず、菅平や野辺山へ行くと、また多く見かけます。
このように繁殖集団が不連続な鳥は、そこでは多く見えますが、そこできちんと守れなければ、気づいたらどこにもいなくなっていた、ということになりかねません。新しく設置された鳥獣保護区の制札にもそのことを明記させていただき、この鳥がよく入るサイズの巣箱を町内に多数、設置しました。古い巣箱も補修して架け直しました。中軽井沢では今朝、コムクドリが初認されました。渡ってきてさっそく、ペアが巣箱に出入りを始めています。