2017年05月23日

最近の屋根裏事情

ハクビシン.jpg
床下に出入りするハクビシン。ジャコウネコ科で、尾が長くスリム。
 あーすわーむでは、外来種のアライグマとハクビシンを生態系から排除する仕事を請け負っています。森の中の別荘は、人が留守のことが多く、床下に動物が入り、そこから壁の中づたいに天井裏へ行き、そこで冬ごししたり、子を産んだりすることが少なからずあります。天井裏で物音がするという通報を受けて調べてみると、テンとハクビシンのことが比較的多く、ハクビシンの場合は罠を仕掛けて捕獲します。アライグマはまとまった数が捕れた時期もありますが、最近は密度が減っています。でも、赤外線センサーカメラに写ることはあるので、根絶できていません。また、シカやイノシシの罠にかかった中型獣が処分されて、報告されない事例も多くあると思われます。
 ハクビシンは野鳥や子猫や子ダヌキなども襲い、それらを食べた痕が天井裏で見つかることもあります。「自然の話題」でもとり上げていますが、ハクビシンと間違われるのがアナグマです。アナグマは半地中のミミズを食べるのが主で、屋根裏に入ることもありません。
 いずれにしても、動物を追い出した状態で、床下の通気口や隙間をふさぐことをお願いしています。そうでないと、一匹を捕まえたとしても、また別の個体が入り、根本的解決にならないので。
アナグマ.jpg
2頭で連れ立って歩くアナグマ。イタチ科で、タヌキに間違えられるほどずんぐりしている。



posted by あーすわーむ事務局 at 14:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月13日

浅間鳥獣保護区でのシカの捕獲

 近年、浅間山麓ではシカの分布が高標高地域にまで広がり、大きな問題になっています。樹皮が剥がされたり、草本植物が食べられたりと、植生には深刻な影響が見られ、それが他の動物に及ぼす間接的な影響も心配されています。
141219-S0354129.jpg
 軽井沢町では浅間山麓の生態系を保全するためにシカの個体数調整を試みてきましたが、高標高地域でシカを捕獲するのは簡単ではありません。雪が深く、人や車が簡単に入っていけないからです。また、浅間鳥獣保護区内にはカモシカやツキノワグマが多く生息しているので、罠をかければ誤ってそれらの動物誤って捕まえてしまう可能性も高いのです。
141219-S0444156.jpg
 私達は、軽井沢町からの委託を受け、2012年から浅間鳥獣保護区内で銃器によるシカの捕獲を行ってきました。シカを撃つのは、山梨に住む腕利きのハンターさんです。これまで毎年30頭ずつ、合計90頭のシカを捕獲しました。これらのシカからは、体の大きさや胃の中の食物組成、妊娠率など、できるだけ多くの情報を得て、科学的な分析を行っています。シカの分布拡大の原因を究明し、今後の対策に役立てるためです。私達は、浅間山麓の生態系保全のために、今後もこのような活動を続けていくつもりです。
203.JPG
撃ったシカから個体の情報を得るためのサンプリングを行っているところ



 
posted by あーすわーむ事務局 at 10:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月05日

目的のわからない人為的移入

 地域の恥をさらすようですが、身近な川で北米原産のウチダザリガニをみつけてしまったのは、2012年でした。地元にはその前年から気づいている人もいるようでしたし、ザリガニの大きさからいって、5〜6年前から入っている可能性が考えられました。誰が何の目的で放したのか、まったく見当がつきません。
DSCF5353.jpg
 北海道の湖で大繁殖し、問題になっています。マリモなどの被害もあるため、ダイバーが潜って駆除しているほど。本州では猪苗代湖が有名で、夏には捕まえて食べる大会も催されています。特定外来生物ですが、その場で殺して食べる分には構わないのです。
 一番いけないのは、捕まえて飼育し、飼いきれなくなって適当なところに逃がす、というパターン。そのため、生きた状態で持ち運ぶことが法律で禁じられているのです。
 私たちは長野県環境保全研究所とともに、生態系からの排除を進めています。これまでの3年間で110匹以上を捕獲・駆除しました。おそらく水温や川底の環境の関係で、生息範囲は限られていますが、爆発的に増えないよう、数を押さえ込んでおかなくてはなりません。
 外来種は、地域固有の生物多様性の大敵です。外国の生物が侵入し、生態系が何となく落ち着いて安定してしまう頃には、地域のオリジナリティをなしていた在来種がたくさん犠牲になっているのです。


posted by あーすわーむ事務局 at 20:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする