2013年10月08日

神津牧場での自然体験プログラム・2013夏(1)

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(左)お昼どき、ジャージー牛が搾乳のために、ほとんど自主的に行進してくる。人気の光景
(右)ネイチャークラフトのイベント風景

 群馬県下仁田町、ほぼ長野県境の標高1,100mの高原に、神津牧場があります。ここは、日本で最初の洋式牧場として発足し、おいしいソフトクリームとジャージー牛でも有名です。2013年夏、あーすわーむは神津牧場と協同で、2つの自然体験プログラムを行いました。
 神津牧場とあーすわーむは、野生生物調査などを通して以前から交流があり、牧場周辺の資源活用について話し合いを持ってきました。牧場の畜産資源と周辺の豊かな自然資源の魅力を、多くの方に体験していただき、環境教育やグリーンツーリズムなどを通して社会貢献したいという両者の思いがあります。
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 この夏は、予約制ではなく、来訪者に気軽に体験していただけるプログラムを用意しました。木を利用した「ネイチャークラフト」と、牧場内を水源とし、やがて利根川に流れ込む渓流を利用した「水生生物を捕まえよう」という2つのプログラムです。
 「ネイチャークラフト」は、基本的に自由な作品づくりですが、頭が動く、手足が動く、尾が動くなど、動くしくみを取り入れることで、より楽しめる作品作りへ導きました。何を作るかイメージが固まるまでは、皆さん時間がかかりますが、決まってからは次々と創造が膨らみ、子供も大人も夢中で楽しんでいました。大人の想像を超える子供たちの発想には、感動させられることもありました。木という素材を楽しみながら、自然に親しむきっかけにしていただけたようです。
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posted by あーすわーむ事務局 at 23:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月17日

コウノトリの郷公園で環境教育実習

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ウノトリの成鳥(左)とコサギ
 兵庫県立コウノトリの郷公園は、山陰地方の豊岡市にあります。コウノトリの野生復帰が軌道に乗り、現在は半飼育状態にあるものと合わせて170羽余りに増えました。県と市といくつものボランティア団体からなる三重構造がうまく機能して、予想を超えた大成功を収めています(里地での野生復帰プロジェクトとしては、世界でも例のない成功)。
 農家の方々の理解を得るまでにも、並々ならぬ努力がありました。「コウノトリは稲を踏み倒す害鳥だ」と言う人のために、1000株の稲のうち、踏まれるのは数十株で、そのうち再び起き上がれない株は数株にすぎないことなど、科学的なデータで実証しました。地に足の着いた取り組みが、今、実を結んでいるのです。

 この公園は、@保護・飼育、A調査・研究、B普及・啓発の三本の柱で成り立っていますが、このたび、Bの強化ということであーすわーむが招かれ、私たちが持つ環境教育のノウハウを披露する機会をいただきました。

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巣塔の上のヒナは巣立ち間近.すでに足環がつけられている

 7月6日の午前中、インタープリター(自然ガイド)に必要な自然観や技術、メッセージを産み出すために欠かせない調査体験、運営と経営、教育的意義などの講義をしました。特に、自然公園や環境教育施設に行かないと自然がないかのような教育はよくなく、子どもたちにはふだんから家のまわりの自然にふれさせておく必要があることを強調しました。
 午後はフィールドワーク実習で、地域ボランティアの方も交え、魚や水生昆虫などを捕まえました。そして、それらを種として見るばかりでなく、個体識別して追跡したり、生物群集を意識したりして見ると、有機的でかけがえのないフィールドが浮かび上がってくることなどをお話ししました。さらに、進化的背景を考えれば、知らないことでも自信を持って伝えられることなどをお話ししました。

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(左)すっかり環境に馴染んだ巣塔に、コウノトリも馴染んでいる
(右)夏に水田の「中干し」をする際、生きものを避難させる「逃げ場」.畦の下を塩ビのパイプが何本も通ってコリドーとなっている


 コウノトリは環境のバロメーターとしての役割を担って放鳥されています。そうしたことは、ややもすると小難しい話になります。私たちも、外来種や希少種の問題に携わるとき、小難しくなりがちなのをどう克服するかの壁によくぶつかります。「わかりやすさ」も大切ながら、「小難しさ」を簡単に捨ててはいけないと思います。経営の基盤こそ違うものの、環境教育に共通の課題に直面しているもの同士、よい交流が持てました。

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(左)農家の方がコウノトリのために水田を放棄してくれた谷戸の湿地.周辺はラムサール条約登録湿地
(右)まだプロジェクトがこれからという頃、偶然ロシアから飛来した野生のコウノトリ「ハチゴロー」が何年か居ついた戸島湿地.ハチゴローはコウノトリの好む環境を自ら示し、プロジェクトにかかわる人々に大きな自信を与えてくれた
(石塚)






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2012年10月25日

犬の能力をいかして獣害対策を

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 9月26日に高知県中土佐町で「獣害対策に愛犬の能力をいかそう!」という講習会(NPO法人四国自然史科学研究センターと中土佐町農林課の共催)があり、講師として出席しました。
 海に近い山林で、小さな尾根と農地・集落が入り組んでいる環境。野生動物との緩衝地帯がなく、放棄された柑橘類やビワの木が残っていました。畑の多くが家庭菜園のため、防除柵はほとんどなく、サルの被害に悩まされているというのもよくわかります。

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 6年前にモンキードッグ事業を導入して3年間実施したそうですが、スワレ、フセ、コイ、マテなど服従課目の訓練を行い、サルが来たらただ犬を放すという、訓練と作業がリンクしていないものでした。ただ放すだけの追い払いなら、犬の素質さえ選べば訓練はいらないぐらいです。木の上まで犬が登って来ないことは、サルたちにすぐ悟られてしまうので、効果が出るのは最初だけです。
 3頭のモンキードッグのうち、高齢で引退した犬の散歩中にたまたま出会いました。「犬でサルを追っ払おう思うたら、訓練はずっとせないかんね。ただ犬だけ山に放したち、サルがすぐに慣れてしまうき」と、まさに的を射た飼い主の感想。「飼い主もいっしょに山に入らんといかんきに、年取ったら難しいきね〜」とも。集落の高齢化が野生動物の侵入の大きな要因だった場合、さらに高齢者に負担をかけるような方法では長続きしないのかもしれません。

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 犬の能力を使いきらずに「犬なんて役に立たない」「犬より猿の方が賢いからダメだ」という話が広まるのは残念でなりません。今回の講習会も、住民の方の参加が少なく、行政関係者の方が多い状態でした。でも、複数の行政担当者に、これまでの失敗の原因と、今後の改良点を理解してもらえたと思います。
 おそらく同じ原因で、各地ともモンキードッグのブームは下火になってきていますが、獣害対策としてポテンシャルの高い方法です。ただし、追い払いに必要な訓練と競技会的な服従訓練とは全く別ものです。また、犬を「切り札」と位置づけるのではなく、総合的な対策のうちのひとつの手段と考えることが大事です。そして何より、ただ犬を放すのではなく、その地域に合った方法をみつけていくことです。
 これからも正しい理論と実践で、興味を持って取り組もうとしている地域をサポートしていきたいと思います。
                                     (山下)

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